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SXFとOCF検定について

電子納品に向けたCADの標準フォーマット「SXF」やオープンCADフォーマット評議会「OCF」とOCF検定に関するコラムです

SXFレベル4について

レベル4は分野ごとの建設オブジェクトを定義しています。例えば、道路中心線、擁壁、側溝などの道路分野や、通り芯、柱、梁などの建築分野など、オブジェクトを使って建設物をコンピュータ上で構築するプロダクトモデルになります。そして建造物全体が1つのデータとして統合され、ライフサイクルでの情報連携を持つことができます。

これによってITを活用した建設生産プロセスの見直し( BPR : Business Process Reengineering )をおこなうなど、業界全体が中・長期的に取り組むテーマであるといえるでしょう。

レベル4と他のレベルとの位置付けは図2の様になります。

図:2

レベル4と他のレベルの相関

レベル4における前年度の活動は、地形モデルの生成・連携、設計作業の省力化・設計データ連携、CGによる景観シミュレーション、施設管理とのデータ連携など、公共事業のプロセス革新につながる検証シナリオ(案)を道路分野において検討しました。これは、実アプリケーションによるトライアルをおこなったものであり、実装可能なモデルスキーマを組み合わせてプロダクトモデルの効果をケーススタディとして検証しました。

そして、建築分野では実装レベルのモデルとしてIFCが存在するので、IAI・IFCとの協調をおこなっています。特にIFC 2xは、地形、地質などの土木リソースを付け加えることにより、建設分野全般の基盤プラットフォームとなる可能性があります。このIFC 2x はISO/PAS 16739としてISO TC184/SC4(STEP)会議において審議されました。IAIの土木プロジェクトではフランスにおいて橋梁モデルが検討中であり、XMLベースのモデル交換・共有では、ifcXMLとして検討されています。このように、SXFレベル4においては、IAI・IFCは重要な位置づけになるでしょう。

他には、地理情報システム(GIS)との連携もレベル4にとって重要なテーマになってくるでしょう。TC211の動向など、STEP以外の国際標準についても動向を見据えながら検討していく必要があります。 そして、レベル4が実現することによって、建設プロダクトモデルの効果が期待できます。 例えば、土木事業における建設ライフサイクルでのデータ共有を可能とすることによって、3次元地形モデルから概略設計モデル、詳細設計モデル、施工モデル、維持管理モデル、そしてまた3次元地形モデルへ情報を受け渡す際に各フェーズでの欠落がなくなります。

そのためには、1つのモデルデータにアクセスし、データの一貫性と整合性をとります。これによって重複作業によるミスの防止になり、それが品質向上へとつながります。また、相互運用性の向上をはかることによって、多様なソフトで利用可能となります。 レベル4の構築にあたっては、ネットワーク、データベース、グラフィックなど、IT技術を最大限に利用していかなければなりません。 このようにレベル4が実現することにより、非常に高い効果が期待できる訳ですが、今後の課題として、次のようなことが挙げられています。

まず、建設生産プロセスの改革をおこない、今の業務プロセスを変えなければ高い付加価値は生まれないであろうということです。発注形態、積算基準、施工自動化、成果品など見直す必要性があります。現場では、2次元の電子納品が始まったばかりですが、継続的に効果をアピールしていくことが重要とされています。

今後も継続して進められるSXFの目標は、業務の効率化やコスト削減だけではなく、環境にやさしい街づくりやきめ細かなサービスをおこなうことにより建設産業全体に新たなパワーを与えるものでありたいと思います。

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