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SXFとOCF検定について

電子納品に向けたCADの標準フォーマット「SXF」やオープンCADフォーマット評議会「OCF」とOCF検定に関するコラムです

[ 2006.3.17改訂 ]

SXF Ver.3について

この仕様は2003年8月にJACICから公表されました。図面表題欄を中心とする図面管理情報のサポート、および二次元CADデータの高度利用を目的とする図形属性情報のサポートの、ふたつを実現することを目的として開発された仕様であり、基本要件は次の通りです。

  • SXF Ver.2との幾何形状データの互換性の確保
  • 図形に任意の属性を任意の数だけ付与できること
  • 図形と図形とのリンクができること
  • 図形と外部ファイルとのリンクができること
  • 面積測定用の領域定義(AreaControl)ができること

図 1:

納品図面の表題欄

図面表題欄については、国土交通省「CAD製図基準(案)」で定められている図面表題欄への記載内容を満たすように考慮されました。これによって図面に記載された表題欄から電子納品で使用されている図面の管理ファイルへ自動転記したり管理ファイルとの整合性のチェックをおこなうような電子納品用ソフトが市場に出てくることが期待できます。(図1参照)

この図面表題欄フィーチャは、SXF ファイル中に図面管理情報として幾何図形とは別に保持する情報を扱うものです。また、STEP/AP202では図面管理のために多くの要素が規定されていますが、Ver.3では図面表題欄に記載される内容として、以下の項目をサポートしました。

  • 事業名、工事名、契約区分
  • 図面名、図面番号、図面種別
  • 尺度、図面作成年、月、日
  • 受注会社名、発注事業者名

また、面積測定用の領域定義をおこなうため、ハッチングの形状を持たずに領域だけを持った既定義ハッチング(AreaControl)が用意されました。そして「属性付加機構」と呼ぶ、図形に属性情報を付加するための仕組みを決めています。図形属性情報は、特定の設計条件からの図形の自動生成および更新、図面からの自動数量計算などを想定しています。

SXF Ver.3の開発にあたっては、図面の仕様に関してVer.2と互換性を確保するように検討されました。そのため、図面ファイル(SFC・P21)については、Ver.2で作成された資産がそのまま利用可能となっています。図面ファイル(SFC・P21)と属性ファイル(SAF、XML形式)に分かれているために、非CAD系のソフトウェアでも属性データから数量の集計などが可能になります。

例えば、図形の情報に属性情報を付加することによって、土木における切土・盛土の断面を示す範囲の面積を土工量計算へ連動したり、鉄筋や設備機器などの名称や仕様を数量集計へ連動することが可能になってきます。2次元図面に意味情報を付加して交換可能にし、図面データの再利用性を高めることによって、現在の業務の効率化をおこなおうとするものです。

なお、この仕様は属性データの交換の仕組みを定めたものです。属性の項目および内容については、今後分野毎の専門家や業界団体などが定めていく必要がありますが、JACICでは各分野に属性セットの構築を依頼するとともに構築のサポートをおこなって普及活動を進めていくようです。

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